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君恋ふる12

キョーコ


「京子ちゃん」

敦賀さんの背中を見送ってからモー子さんについて歩きだしたら、不意に呼びかけられた。

誰かしら?

モー子さんを見つめたら、モー子さんはその人に挨拶をした。

慌てて私もモー子さんを見習って、その人に挨拶をした。

「おはようございます」

「久し振り。元気そうだね~もういいの?」

親しげに話しかけられたけど、誰だかわからないから困ってしまった。

不意にモー子さんが私の腕を掴んで引き寄せたから、少しよろけるようにモー子さんにぶつかってしまった。

今、モー子さん痛くなかったかしら?

心配になってモー子さんを見つめたら、モー子さんはニッコリと笑ってその人に話しかけた。

「すみません、この子まだ記憶が戻ってないんです」

そう言って私を見つめてくるモー子さんの顔がとっても優しいものだったので、嬉しくなって私もモー子さんに笑いかけた。

気のせいかしら?

モー子さんの顔が赤くなったような気がするんだけど。

「そうか~じゃあ俺のことも忘れちゃってるままかな?」

話しかけられて、その人を見つめた。

やさしい顔で問われて、覚えていないことが申し訳なかった。

「すみません」

俯いていると、その人は軽く頭をポンポンと叩いてくれた。

その仕草がなんだか安心出来て、嬉しかった。

「俺、貴島秀人。だからもう忘れないでね?」

約束は出来ないけど、優しいこの人を覚えておこうと思った。

返事の代わりに笑いかけたら、何故だかその人は降参というように両手をあげて一歩退いていた。

「もうこれ以上は何もしないから、そんなに睨まないでくれない?美人が台無しだよ?」

私笑いかけたのに、睨んでるように見えたの?

うろたえてモー子さんを見つめたら、モー子さんはさっきの人に向けたような険しい顔をしていた。

モー子さんどうしちゃったの?

何かモー子さんを怒らせるようなことをしたのかと心配になった。

モー子さんが少し前に出て、私はモー子さんの背中にかばわれるような感じになっていた。

モー子さんの後ろから貴島さんという人を見つめると、少し困ったように笑っていた。

「何もしないって。やっぱり君って俺の恋敵なんだね、モー子さん」

恋敵?

モー子さんと貴島さんが?

どうして?

「どうしてその名をご存じなんです?」

「京子ちゃんの親友でしょ?君は」

「それが何か?」

モー子さんの声冷ややかで、怖かった。

「ダークムーンの時、京子ちゃんの噂になってね。だから今みたいな京子ちゃんが頼りになるのは『親友のモー子さん』じゃないかと思っただけだよ」

「それでどうして恋敵になるんです?」

「京子ちゃんに好きな人がいるかって聞いたら、『モー子さんです』って背後に花とばして教えてくれたからね」

モー子さんがすかさず振り返って私を見つめた。

目が合ってニッコリ笑うと、途端にモー子さんの顔が真っ赤になった。

モー子さん具合でも悪いのかしら?

具合が悪いのに無理して私に付き合ってくれてるんじゃないかと思うと、目の前がぼやけてきた。

「可愛い女の子がそうやってじゃれ合ってるのを見るのは楽しいね。今日は時間がないからこれで退散するよ。またね、京子ちゃん」

そして貴島さんは手を振って歩いて行った。

見えていないだろうけど、貴島さんの背中にペコリとお辞儀をしてからモー子さんにすがりついた。

「モー子さん、大丈夫?」

「………」

モー子さんが何か呟いてたけど、あまりに声が小さくて聞き取れなかった。

「気分が悪いの?モー子さん」

途端に大きな声で叫ばれた。

「も~あんたが恥ずかしいこと言ったからでしょ!」

恥ずかしいこと言ったの?私。

さっきの会話を思い返してみたけど、何が恥ずかしいのかちっともわからなかった。

私の何かがモー子さんを不機嫌にさせちゃったんだと思うと、悲しくなってきて、涙がこぼれそうになった。

「馬鹿、違うから。変にとらないでよね。泣くことないわよ。悪かったわよ。謝るから」

「怒ってない?」

モー子さんに問いかけたら、モー子さんの顔はまだ赤かった。

「怒ってないわよ。気分が悪いわけでもないわよ。ほら、早く行くわよ。後で事務所によらないといけないんだから」

そう言ってずんずん歩きだしたモー子さんの背中を、慌てて追いかけた。

11へ   つづく

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Re: こんばんは☆


拍手おかしかったですか?
不具合でしょうか?
えぇ〜ラブラブって感じでした?
書いてる私はとっても楽しかったです♪
お姉さまシャイですね( ̄― ̄)
紳士でした?
そう見せかけただけかもですよ?w
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