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続々 心の声

続編を2つにわけてしまいました。


続々 心の声

あれからまた、彼女に会えない日が続いていた。

前回の反省を踏まえて、電話もメールもマメにしているのに、彼女からの連絡は何もなかった。

もしかして避けられてるんじゃないかと不安になってきたが、彼女に避けられるようなことをした覚えがなかった。

抱きしめたのがいけなかったのか?

いや、でも彼女は俺に抱きしめられても嫌がるそぶりは一度も見せたことがなかったし・・・・・。

悶々としたまま仕事をこなして2週間が経ったころ、ようやく彼女と連絡がつながった。

「はい、最上です」

恐る恐るといった感じに、彼女が携帯に出た。

「もしもし、俺だけど」

「敦賀さん・・・・・」

言いたいことはいっぱいあったけど、何から話していいのかわからず、ただ、電話越しとはいえ、久しぶりに聞いた彼女の声になんだかホッとした。

今まではただタイミングが悪くて連絡がとれなかっただけかもしれないと思った。

「あの・・・・・」

彼女が何か告げようとしていた。

「どうしたの?」

優しく問いかけたのに、次の瞬間

「ごめんなさい・・・・・ごめんなさい・・・・・ごめんなさい」

何度も繰り返される『ごめんなさい』に、俺の不安が掻き立てられた。

電話ではらちがあかないと、直接彼女を捕まえる事にした。

「今どこ?俺もうあがったから、今から迎えに行くからそこを動かないで」

彼女の居場所を聞いて、そう言い捨てて電話を切り、急いで彼女のところへ向かった。



彼女は逃げたりもせず、大人しくラブミー部の部室で待っていた。

俺の顔を見るなり俯いてしまって、「ごめんなさい」を繰り返す。

まさか・・・・・俺のことは好きじゃないとか言い出すんじゃないだろうな・・・・・

不安が増してきて、自分で緊張してるのがわかった。

「その『ごめんなさい』は何?」

優しくしたいのに、不安にかられてそんな余裕もなかった。

彼女は俺の機嫌を敏感に察して、顔を強張らせている。

怖がらせてるのはわかったけど、彼女が何を言っているのかわからないから、自分の気持ちも抑えられなかった。

あんなに期待させといて、今更好きじゃないとか言い出されたとしても、もう手放せないんだよ・・・・・君が離れていくというなら、どうでも縛り付ける。

そんな自分勝手なことさえ思っていた。

「黙っててもわからないよ?」

「私・・・・・」

そういうと、彼女は目に涙を浮かべていた。

「あんな破廉恥なことして、また逃げ出してしまって・・・・・」

「恥ずかしくて・・・・・敦賀さんからの・・・・・電話も出れなくて・・・・・メールも返事をかえせなくて・・・・・」

「ごめんなさい・・・・・」

そう言って彼女はしゃくりあげだした。

思いもよらなかった彼女の言葉に脱力して、その場にずるずると崩れ落ちてしまった。

「敦賀さん?大丈夫ですか?気分でも悪いんですか?」

彼女は驚いて、俺に駆け寄ってきた。

びっくりしたから、涙も止まったのか・・・・・

そんなことを思いながら彼女に違うと手を振った。

「いや、気分が悪いわけじゃないよ」

あまりの情けなさに苦笑してしまう。

こんなにも彼女の言葉に一喜一憂するなんて、もう重症だ。

彼女は心配そうに俺を見詰めている。

「これはね、こんなにみっともなくなるぐらい、俺は君が好きだってことだよ」

俺の言葉に、彼女は顔を真っ赤に染めた。

そんな彼女の腕をとって引き寄せた。

不意に引き寄せられて、彼女は倒れ込むように俺の腕の中におさまった。

「もうどうしようもなく、君が好きだよ。こんな情けない俺は嫌い?」

無理に問い詰めて彼女を混乱させたくなくて、今まで聞けなかった言葉がするりと口からこぼれおちた。

「そんなことないですよ?」

彼女は不思議そうに言った。

「ほんとに?」

「いつも何事にも動じない大人な敦賀さんも素敵だけど、敦賀さんの意外な素顔が見れたみたいで、ちょっぴり嬉しいです」

彼女はこの上なく愛らしく笑う。

そんな彼女が愛しくて、思わずこめかみにキスをした。

彼女は何をされたか気づいて、首まで真っ赤になった。

「好きだよ」

もう何度目になるだろう。

彼女への気持ちは益々あふれてきて、とどめようがなかった。

彼女は俺の胸に顔を押し当てて、コクリと頷いた。

ん?それって・・・・・俺の都合のいいようにとっていいの?

彼女が俺を受け入れてくれるんだと思うと嬉しくなって、彼女の顎を持ち上げてキスをしようとした。

俺の唇に触れたのは・・・・・彼女の手だった。

なぜ・・・・・?

「ダメです、敦賀さん」

ちょっと拗ねたように、彼女は言った。

君は俺を受け入れてくれるんじゃないの?

「どうして?」

「だって・・・・・そんなことされちゃうと、私、自分の心の声が聞けなくなっちゃいます。敦賀さんの声しか聞こえなくなってしまいそうだから・・・・・そんなことダメなんです」

彼女の言葉に脱力した。

「じゃあ、今、君の心の声はなんて言ってるの?」

やけになって聞いてみた。

「ここにいたいと言ってます」

彼女はニッコリと笑って、ぎゅっと俺に抱きついてきた。

あ~もう君にはかなわないよ。

今はまだ、腕に抱きしめるだけで我慢しておくよ。

そして彼女を抱く腕に力を込めた。

前へ   おわり

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