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ACT.151続き妄想の続き


「あれ?」

気が付いたら畳の上に寝ていて、モー子さんとお弁当を食べていたのは夢だったのかと思った。

「気がついた?」

モー子さんが、私の顔を覗き込んできた。

「モー子さん?私、どうしたの?」

「あんたが真っ赤な顔して、半ば意識がなさそうだったとかで、敦賀さんがあんたの楽屋に運んでくれたのよ」

「モー子さんが介抱してくれたのね」

「仕方ないでしょ?敦賀さんは移動の時間だったんだから」

嬉しくてニッコリ笑ったら、モー子さんが顔をそむけてそっけなく言い放った。

モー子さんったら照れてるのね。

そんな仕草も嬉しかった。

「あんた、どこか具合が悪いとか、気分が悪いとかない?」

モー子さんに聞かれて、自分の身体をあちこち動かして確認してみた。

「気分は悪くない…わよ?痛むところとかも…ないかな」

「そう、じゃあ私も行くわよ?付き人の仕事があるから。あんた、ちゃんと敦賀さんにお礼言いなさいよ?」

荷物と上着を手に、モー子さんが靴を履きながら言った。

「お礼?」

「ここまで運んでもらったんだから」

お礼……

その言葉に、バレンタインの敦賀さんが脳裏によみがえった。

『…ありがとう―――――…おいしいよ』

顔が熱くなってきて、敦賀さんのあの『お礼』が頭の中で渦巻いていた。

「大丈夫……じゃ…ないかも……」

くらくらして、自分に骨がなくなったように感じた。

「え?ちょっと、キョーコ?キョーコ!も~一体どうしたって言うのよ」

酔っぱらうってこんな感じ?

そんなこと思いながら、どこかと遠くからモー子さんの声が聞こえた。





時間をおくと、益々お礼が出来なくなると思って、モー子さんから今日の敦賀さんの帰宅予定時間を聞いて、敦賀さんのマンションの前で待ち伏せした。

「こんなところで何してるの?」

仕事を終えて帰って来た敦賀さんが、驚いたように聞いてきた。

「あの……楽屋まで運んでくださって聞いて…」

「もしかして、それでわざわざ?」

だって……電話でお礼なんて出来ないから……

頷いて一気に告げた。

「ご迷惑かけたお詫びと、お、お礼に、ご飯を作らせて下さい!」

敦賀さんは、目の前でスーパーの袋を突きだす私に呆気にとられながらも、部屋の中に招き入れてくれた。





敦賀さんの食事が終わって、片付けも終わらせても、なかなか言い出せなかった。

どうしようか迷っていたら、敦賀さんがコーヒーをいれてくれて、リビングに座った。

「あの……」

今しかない。

そう思って、勇気を出した。

「お願いがあるんですけど…」

私は敦賀さんとは違うんだから……

「どんなこと?」

「目を閉じて頂けませんか?」

協力してもらわないと……

「これでいい?」

震える自分を叱咤して、敦賀さんに近寄って、そっと敦賀さんの頬に『お礼』をした。

「最上さん?…今のは……」

敦賀さんは目を瞠って、私を見詰めていた。

「し、失礼しました」

恥ずかしくてたまらなくて、顔を背けた。

「帰ります」

立ちあがろうとしたら、敦賀さんに腕を掴まれた。

「どうして逃げるの?」

「逃げません。もう遅いですから、私がいたら敦賀さんがお休みになれないと思って」

敦賀さんの腕は、容易に振りほどけなかった。

「今最上さんが逃げ帰る方が眠れなくなるよ」

そんな風に言われたら、抵抗し辛くなった。

「どうしてキスを?」

「お、お、お礼です!昼間敦賀さんにはご迷惑かけちゃいましたから。敦賀さんだって、バレンタインにお礼だって言われましたよね?私ごときのキスではお礼にもならないと思い、食事を作らせて頂きましたけど、ちゃんと『お礼』もした方がいいと思って」

モー子さんにお礼言いなさいって言われた時、咄嗟に頭に浮かんだのがこれだったんだもの。

「最上さんは、誰にでもこんなことするの?」

「とんでもありません!敦賀さんだから!敦賀さんだから、敦賀さん流のお礼をしようと…」

「それって、俺が特別って聞こえるね」

「尊敬してる先輩ですから」

「それだけ?」

「それ以外に何かありますか?」

敦賀さんと私は、同じ事務所の先輩後輩ってだけだと思うけど?

「こんな夜遅くに、男の部屋で、男と二人きりでいるのに、そんなことされて、平静でいられる男っていないと思うよ?」

外国のモデルさんと一緒に仕事することが多くて、芸能界一いい男の称号を持つ敦賀さんだから、例外なんじゃないかしら?

さっきだって、動揺もしてなかったし……

それに……

「私なんて、地味で色気もないですから…」

「そう思ってるのは、最上さんだけだよ」

問い返そうとしたら、掴まれてる腕を引っ張られて、敦賀さんの腕の中に閉じ込められた。

つづく

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