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君恋ふる22

キョーコ

あのね、コーン。

敦賀さんが心配してくれた付き人だけど、毎日とっても楽しいの。

社さんも、敦賀さんも、すごく優しくて頼りになって、なんだかマリアちゃんと読んだ本のナイトに守られるお姫様になったみたいな気分なの。

スーパーで買い物がしたいって言ったらね、敦賀さんは荷物持ちについてくるって言うのよ?

敦賀さんがスーパーに来てるなんてわかったら大変な騒ぎになっちゃうからって、敦賀さんの代わりだって社さんが一緒に行ってくれたのよ?

そしたら敦賀さんは、ネットで注文するようにしてくれたのよ?

敦賀さんとね、ネットを見ながら注文するのは、一緒にスーパーに行ってるみたいで楽しいの。

「何が食べたいですか?」って聞くと「ハンバーグ」って答えが返ってくるんだけど、そんなに好きなのかしらね?

ハンバーグに目玉焼きが乗ってるのがいいってリクエストされて、言われたように作ってみたんだけど、敦賀さんのイメージに合わないような気がして……

目玉焼きののったハンバーグに、いい思い出でもあるのかしらね?

食に感心が薄いって聞いてた敦賀さんだけど、私が作ったものは何でも残さず食べてくれるのよ?

「美味しい」って言葉をもらうと凄く嬉しくなるの。

敦賀さんが優しいと言えばね、食事の支度や後片付けも手伝ってくれるのよ?

お仕事でお疲れなんだから私がするって言っても、絶対引いてくれないの。

理由を聞いたら、前に私が敦賀さんの部屋のキッチンで怪我するところだったんだって。

私と敦賀さんは、事務所の先輩と後輩だって聞いてたけど、それだけで食事を作りに来たりするのかしら?

コーンと同じぐらい大事な人だったから、食事事情を知って通ってたのかしら?

そういうのって迷惑じゃなかったのかしら?

でもいつも優しく微笑んでくれてる敦賀さんを見たら、迷惑だと思われてるように感じないんだけど。

それからね、敦賀さんの演技ってとっても凄いのよ?目が引き寄せられるのよ?

敦賀さんの周囲だけ、何だか違って見えるの。

そう言えば私、ドラマで敦賀さんと共演したことがあったらしいんだけど、敦賀さんみたいに凄い人との共演を覚えてないなんてもったいないと思わない?

思いだしたいなぁ~

ねぇコーン、どうすれば思い出せるかしら?

付き人始めて、敦賀さんの人気が凄いのがよくわかったの。

出待ちって言うの?

どうして知ってるのかはわからないんだけど、敦賀さんのファンがTV局の外とかで待ってるのよ?

いつもは社さんがブリザードって言うのかしら?それで守ってくれるんだけど、社さんがいない時に揉みくちゃになって、敦賀さんが私を庇ってくれたから怪我はなかったんだけど、敦賀さんが私を庇うとすごい騒ぎになって、ちょっぴり怖かったわ。

あのねコーン、敦賀さんて凄いのよ。

分刻みって言うの?そういう過密スケジュールなのに、無遅刻無欠席なんですって。

交通渋滞とかどうしようもないことだってありそうなのに、それでも無遅刻無欠席なんですって。

そんな敦賀さんが少しでもリラックス出来るように頑張りたいのに、いつも私は敦賀さんに迷惑をかけるだけ……どうしたらいいと思う?

コーン、私変なの。

敦賀さんに抱き締められた時はちっとも嫌じゃなかったのに、知らない人に触れそうなぐらい近寄られた時は嫌でたまらなかったの。

敦賀さんが楽屋で着替えてるから外で待ってたの。

丁度社さんはスタッフの人に呼ばれて行っていなかった時だったんだけど、「久しぶり」って声をかけられたから、私の知り合いの人だと思ったの。

いつもなら、敦賀さんや社さんが教えてくれるんだけど、一人だったから正直に覚えてない事を謝ったら「俺の顔、よく見たら思い出すかもしれないよ?」なんて言って、壁際に立ってる私を囲うように、両手を壁について、私は小さな檻に囚われたみたいになって、嫌だったの。

敦賀さんが楽屋から出てきてくれた時はホッとして、顔を見ただけで涙が出そうになったの。

その後結局泣いちゃった私を、敦賀さんは優しく慰めてくれて、すごく安心したの。

敦賀さんの腕の中はちっとも嫌じゃないの。

どうしてかしら?






シャワーを浴びてリビングに戻ると、彼女がソファで転寝をしていた。

社長命令の「俺に三食食事をとらせる」を頑なに頑張って、疲れてるんだろう。

朝から夜遅くまで俺の仕事に付き添って、お昼まで手作りのお弁当を用意してくれている。

帰宅が遅くなる時は、彼女だけでも先に帰そうとするのに、中々先に帰ってくれなくて、夕食のリクエストをすることで、社さんと一緒にしぶしぶ帰る彼女の背中を見送っていた。

毎日頑張って作らなくても、たまには外食でもいいと思うのに、彼女は駄目だと言って譲らなかった。

そんなに頑張らなくていいんだよ?

彼女と一緒に暮らすようになってから、いつ俺が日本人じゃないってバレルかとひやひやしている半面、一日中一緒にいられる幸せを感じていた。

手伝うと言って一緒にキッチンにいれば、食事の支度の時は味見をねだられ、まるで新婚さんの様に「はい、あ~ん」なんて初めて口に運ばれた時は思わず硬直してしまって、ろくに味なんて感じられなかったけど、今ではそれが当たり前のようになって、夢のように感じる。

彼女にしたら深い意味はなくて、マリアちゃんと料理をしてた時の感覚なんだとわかっていても、それでも幸せだった。

食事の後片付けも、ダークムーンで共演してた頃だって一緒にやっていたのに、以前よりも楽しく感じるのは、彼女が自然に俺を頼ってくれてるせいだろう。

気になるのは、ときどき彼女が首をかしげていることだ。

何が気になるのか聞いても、いつも「なんでもありません」と微笑まれる。

そんな姿はあまりにも愛らしくて、深く追求する気にもならなかった。

自分のもののついでだからと洗濯までしてもらって、乾いた洗濯ものを畳んで手渡されると、ホントに新婚生活のように感じる。

演技中に彼女の熱心な視線を感じて、もしかして、今の彼女も俺を特別な存在だと思ってくれてるんじゃないかと期待してしまう。

「キョーコちゃん、疲れてるのはわかるけど、ベッドで寝た方がいいよ?」

軽くゆすってみたけど、起きそうになかった。

こんなところで寝入って、俺に襲われちゃってもいいの?

こういう無防備なところは、男と意識されてないようで寂しくも感じた。

もしも、彼女が俺を男と意識したら、きっとこんな夢のような時間は過ごせなくなるだろう。

そう思うと、どちらがいいのかわからなくなる。

彼女をゲストルームに運ぼうと、彼女の背中に手を入れた時、彼女の方からすり寄ってきて硬直してしまった。

「キョーコちゃん?起きてるの?」

「……ん………コーン…」

何か夢でも見てるんだろうか。

小さく呟いて抱きつかれてしまった。

好きな子に抱きつかれて喜ばない男がいるわけがない。

思わず反射的に抱き締めた。

彼女が目を覚ました時の言いわけなんて何も考えてなかった。

彼女の記憶が戻った後も、こうして彼女と穏やかな時間が過ごしたいと思った。

21へ   つづく

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