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欲求不満

設定は受難とつながってます。

なお、裏的要素は皆無です。


欲求不満



ここ最近、気になって気になって仕方のないことがある。

それは、つい最近、蓮とキョーコちゃんの交際宣言―――しゃしゃり出た社長によって事実上の婚約会見とも言う―――の時に判明したこと。

蓮がキョーコちゃんにプロポーズをしていたという事実。

交際宣言後の騒ぎのせいで、どうやら普通のものとは違ったらしいことがわかった。

それなら一体何と言ったんだと、頭の中がそれで一杯になってしまった。

当然蓮に聞いてみたけど、あいつは話してくれなかった。

あいつって結構秘密主義だと思う。

まだキョーコちゃんと付き合うようになる前も、俺がいろいろ協力してやってるのに、ほとんど何も話してくれなかったし。

お兄さんとしてはさみしい限りなんだけどな~。

仕方ないので、キョーコちゃんに聞いてみた。

蓮が怖いので、コッソリと聞いたんだけど、恥じらって全然教えてくれなかった。

誰か~~~~~俺の代わりに聞き出してくれ~~~~~!!!

聞き出せる可能性があるとすれば、キョーコちゃんの親友の琴南さん、そして、キョーコちゃんを姉と慕っているマリアちゃんぐらいだと思う。

ただ、マリアちゃんは蓮のことが好きだったので、いくら俺が知りたいと思っても、彼女に頼もうとは思わなかった。

事務所で偶然琴南さんを見かけたので、これ幸いと呼びとめた。

「こんにちは、社さん。どうされました?」

俺も琴南さんも、蓮とキョーコちゃんが付き合いだしてからというもの、騒動に巻き込まれている同士のような関係で、そのせいもあって気軽に聞いてみた。

「琴南さんは聞いてないかな?蓮がなんて言ってキョーコちゃんにプロポーズしたか」

そう俺が聞いたら、琴南さんはすごく嫌そうな顔をした。

「聞いてませんし、聞き出す気もありません」

「え~~~~~でも気にならない?」

「それを気にすると、またあの人を刺激することになりませんか?」

ま~確かに琴南さんは、キョーコちゃんをめぐって成り行きで蓮と対立して本性見てるから、触らぬ神に祟りなしといったところで、あの二人と近づきたくないんだろうけど・・・・・。

どうしても・・・・・例え蓮が大魔王と化そうとも、俺は知りたいんだ~~~~~!!!

それを知るまで、俺の欲求が満たされることはないんだ~~~!!!

「知りたくないの?知りたいよね?気になるでしょ?」

何度も琴南さんに聞いていたら、呆れたような顔をされた。

「知ってどうなるんです?そもそも私には関係ありませんし」

「何のお話ですの?」

琴南さんの声に重なった声が、マリアちゃんのものだと気づいてうろたえてしまった。

とっさに返事が出来なくて、思わず黙り込んでしまった。

どうやら琴南さんもご同様のようだ。

「私には、話せませんの?」

マリアちゃんが眉を顰めた。

「いや・・・・・あの・・・・・その・・・・・」

なんて言おう・・・・・。

出来ればマリアちゃんを傷つけたくなかった。

「社さんが、どうしても知りたいことがあるから聞き出してくれって言われるのよ」

こ、こ、琴南さん!!

君だってマリアちゃんの気持ちは知ってたんだろ!?

なぜマリアちゃんに言うんだと、うろたえてしまった。

「何を聞き出して欲しいんですの?」

「えっと・・・・・あの・・・・・その・・・・・」

「場合によっては、協力して差し上げますわよ。お二人がこんな話をされるのは、蓮様とお姉様のことでしょうし」

「え!?」

マリアちゃんの言葉に驚いて、思わず声を上げてしまった。

そんな俺を見て、マリアちゃんは察したんだろう。

俺が言い出し辛かったことを自ら語ってくれた。

「蓮様が、お姉様をお好きだったことはショックでしたわ。でも、これがお姉様以外の方ならもっと許せませんでしたわ!お姉様が幸せなら、そして蓮様もそうなら、私がとやかく言うことではありませんもの。お二人を祝福したいと思ってますの」

そう哀しそうに告げられた。

こ、これを天の助けと思っていいのか?

琴南さんの視線がとっても痛かったけど、思い切ってマリアちゃんに告げてみた。

マリアちゃんは笑って言った。

「そんなことなら協力しますわよ。私も気になっていましたの。今からみんなでお姉様のところへ参りましょう」

マリアちゃんの提案で、3人でラブミー部の部室に向かった。

琴南さんの足取りは重い。

それはそうだろう・・・・・。

今頃ラブミー部の部室では、キョーコちゃんにべったりくっついているだろう蓮に、2人の時間を邪魔されたと睨まれることがわかりきってるんだから。

そんな俺たちの葛藤をよそに、マリアちゃんは意気揚々とノックした。

「はい、どうぞ」

ドアを開けて中に入ると、キョーコちゃんしかいなかった。

「あれ?蓮は?」

あいつがキョーコちゃんから離れるなんて珍しい。

いつもなら、時間の許す限りべったりくっついているのに。

「社長さんに呼ばれて行かれましたよ?」

キョーコちゃんはあっさり教えてくれた。

社長に呼ばれたって何か新しい仕事の事かなと思った俺の耳に、マリアちゃんが囁いた。

「蓮様が邪魔なので、さっきおじい様にお願いして呼び出してもらったんですの」

手際の良さに唖然とした。

部室に来る前にかけてた電話はそれだったのかと思った。

「お姉様とどうしてもお話ししたくて・・・・・ご迷惑でした?」

マリアちゃんがこの上なく可愛らしく言う。

「とんでもない。マリアちゃんならいつでも大歓迎よ?」

フワリと微笑むキョーコちゃんに、思わず見とれてしまった。

とっても優しい笑顔だった。

「もっと早く言いたかったんですけど、今まで言えなくて・・・・・お姉様、ご婚約おめでとうございます」

マリアちゃんは、ニッコリと笑っていた。

笑顔の裏に隠されたものがわからないキョーコちゃんでもない。

「ありがとう、マリアちゃん。マリアちゃんに言ってもらう言葉が一番うれしい」

そう言って、キョーコちゃんは涙ぐんだ。

「お姉様、後学のためにお聞きしたいんですの」

キョーコちゃんが首をかしげた。

「蓮様に、なんてプロポーズされましたの?」

途端に、キョーコちゃんが真っ赤になった。

「そ・・・・・それは・・・・・」

「蓮様のことだから、素敵なプロポーズをされたんでしょうね」

マリアちゃんはうっとりと言う。

「えぇ、それはもう、素敵だったに違いないわね。本人が気付かないぐらいね」

琴南さんが、忌々しそうに言った。

琴南さんにとって、あれは嫌な思い出にしかならないんだろうな・・・・・。

そのプロポーズのせいで、彼女は駆け込み寺にされて蓮の本性みてしまったんだし。

そして、あの後蓮の嫉妬の対象になって。

女の子相手に嫉妬するなとたしなめたところで、聞いてくれるような奴じゃないし。

「モ、モ、モ、モー子さん」

キョーコちゃんは慌てている。

「お姉様」

マリアちゃんの呼びかけは、音符が出てきそうなぐらい軽快だった。

「教えて下さいますわよね?」

マリアちゃんはとっても嬉しそうに聞いた。

キョーコちゃんは視線を彷徨わせていた。

俺と目が合った時、顔を引きつらせた。

そんなに期待に満ちた目をしていたのかと、それでもついに俺の欲求がみたされると思うと、もう嬉しくて嬉しくて期待してしまうのも無理はなかった。

誰にも助けてもらえそうにない事を観念したキョーコちゃんがポツポツと話しだした。

「敦賀さんが・・・・・」

思わず息をひそめてしまった。

「『これから二人でいっぱい思い出を作っていこうね』って・・・・・」

キョーコちゃんはポッと頬を染めた。

「それで?」

思わず続きを促した。

「それだけ・・・・・ですけど・・・・・」

俺の剣幕に、キョーコちゃんがタジタジになって言った。

「確かに、それでピンとこいって言われても無理があるわね。特にあんただし。告白された後にそんなこと言われたら思わず『はい』と言うでしょうよ」

琴南さんが呆れたように言った。

「でも、素敵ですわ~」

マリアちゃんは胸の前で手を組んでうっとりと言った。

「普通に『結婚しましょう』より夢がありますわ」

マリアちゃんははしゃいでるけど、俺には、『好きだ』と一言告げるのに、あんなに時間がかかった奴が、どうしてこんな言葉がスルリと出るのかと不思議に思った。

とにかく、マリアちゃんのおかげで、俺の欲求不満は解消された。

が・・・・・。

一体あいつはいつからあんな言葉を考えてたんだ?

とか

最初からNOと言わせないために謀ってたんじゃないのか?

とか新たに知的好奇心を刺激されて、またしても欲求不満になってしまった。

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