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ACT.157続き妄想

どうしてこういう事になったのかしら…

「セツ、手が止まってる」

ぼんやりと考えてたら、催促されて、慌てて手を動かした。

親鳥よろしくカインの口に食べ物を運ぶ。

ハンバーグを一口大に切っては食べさせ、パンをちぎっては食べさせ、最後に唇が手に触れた時は顔が熱くなった。

駄目よこんなことでは…

負けるもんですか!


 * * *


カインは、殺気すら纏って、私を囲む男達を睨みつけた。

4対1と、数が不利なのにもかかわらず、たった一人のカインは、男達を圧倒していた。

「それじゃあね」

身動きできない男達に言い捨てて、緊迫した空気の中を、カインに向って一歩踏み出した。

「待てよ」

私の肩に手を回していた男が、咄嗟に私の腕を掴んだ。

「何よ」

男に呑まれないように、じっと目を見据えた。

「一緒にメシ食いに行ってもいいって、お前が言ったんだろ」

「持ち出し許可を取ってみてって言った筈よ。それなのに、何も言わなかったじゃない。だから私は帰るのよ」

いつまでも私の腕を掴んでいる男が、カインに腕をひねり上げられて私を解放した。

「お、おい」

ひねり上げられた腕を痛そうにさすりながらも、男は、明らかに殺気を纏うカインに、恐々と声をかけた。

ギロリと睨みつけられて、男は声が出なくなったようだった。

「セツ」

「なに?」

問いかけられて返事をした。

「俺を置いて、そいつらと一緒に食事をしたいのか?」

殺気を纏って男達を一瞥していたのに、セツには捨てられた子犬の様な瞳を向けていた。

ま、また…

カインの背後に見えるのは、かいん、かいんまる、かいんごう。

「に、兄さんを置いて行くわけないじゃない!兄さんと一緒に行くに決まってるでしょ?」

小さな子供に言い聞かせるように告げた言葉に、カインはホッとしたようだった。

いそいそと私の腰に手を回し、離れないぞとアピールしているような気がした。

「どこへ連れていってくれるって?」

カインは、男達へ冷たい視線を投げかけて訊ねた。

「野郎はいらねぇんだよ」

威勢よく告げようとしたんだろう。

なのにカインの迫力に呑まれて、小さな声しか出てなかった。

「セツ一人しかいらないって?」

カインの周囲から温度が下がって行くような気がした。

男達は、無意識に後ずさっていた。

カインは男達を威圧してみせて、セツには捨てられた子犬の様な瞳を向けた。

”あんなこと言ってるよ?俺を置いて行くの?”

そんな風にカインの瞳が問いかけているような気がした。

カインの背後で3匹の子犬が「きゅ~ん」と鳴いていた。

「あ~もう!兄さん一人を放っておけるはずないでしょ?瞠ってないと、タバコとコーヒーか口にしないに決まってるんだから。あんたたち、兄さんが行かないなら、私も行かないわ。じゃあね」

追いすがろうとする男達を、カインは視線1つで黙らせた。


 * * *


男達を撃退(?)した後に入ったレストランで、カインが嬉しそうに言った。

「放っておいたら、タバコとコーヒーしか口にしそうにないから、俺の面倒みてくれんだろ?」

正確には瞠ってないとって言ったんだけど…なんてことは口にしないで、『瞠ってる』のと同じ感覚でカインの言う『面倒をみる』を捉えて、頷いた。

いそいそと向いの席から隣の席に移動してきたカインに、目を丸くした。

これはどういう意味なの?

運ばれてきたハンバーグを前に、カインが笑った。

「食べさせて?」

な!

「一人で食べれるでしょ!?」

反射的に怒鳴ったら、「きゅ~ん」と鳴く声が聞こえてきた。

また…

食べさせてくれなきゃ、食べれない。

カインの瞳がそう言っているような気がした。

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