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君恋ふる36

キョーコ

夜は嫌い。

またあの夢を見そうで、一人でいるのが怖い。

でも、敦賀さんがいてくれたら、怖くないの。

いつも私を慰めてくれる敦賀さんは、しばらくロケで戻らない。

安心してお仕事してもらえるように、「お留守番ぐらい一人で出来ます」なんて痩せ我慢口にして、エレベーターまでお見送りに行った。

エレベーターのドアが閉まった途端、涙があふれてきた。

敦賀さんが帰ってこないと思っただけで、どうしようもなく寂しくてて、勝手に敦賀さんのお部屋に入った。

ベッドの中で抱きしめてもらって眠るのは、幸せなひと時だったのに、敦賀さんが戻るまでは、一人で嫌いな夜を過ごさないといけないの。

勝手に入った事は無い敦賀さんのお部屋のベッドに凭れて座り込んだ。

寂しくてたまらなくて、枕を抱え込んだ。

早く帰ってきてくださいね。

「ただいま、キョーコちゃん」

そんな声が聞こえたような気がして、顔を上げてみても、いつもそこには誰もいなくて……

敦賀さん…寂しいです……

幻じゃなくて、敦賀さんに会いたいです。

せめて声を聞きたいです。

でも、きっと泣いちゃうから…泣きながら電話をすると、敦賀さんに心配かけるから…

発信ボタンを押せなくて、じっとアドレスを見つめていた。

敦賀さんから電話があったら、すぐに出られるように手に持っていたけど、携帯は鳴らなかった。

敦賀さん、電話も出来ないぐらい、お忙しいですか?

お食事はちゃんと食べてますか?

私のこと忘れちゃってませんか?

一人は寂しいです。

敦賀さんがいない夜は怖いです。

早く帰ってきてください。

コーン…寂しいよぉ…





目が覚めると、敦賀さんの大きなベッドの中には、私だけだった。

「敦賀さん?」

呼んでみたけど返事はなくて、敦賀さんが戻って来たと思ったのは、全部夢だったの?

そう思ったら寂しくなって、涙が我慢出来なかった。

声も殺さず泣いていたら、敦賀さんが慌てて寝室に飛び込んできた。

「キョーコちゃん?」

敦賀さんの姿を見て、夢じゃなかったって安心した。

「よかった…夢じゃなくて…」

泣いて抱きつく私を、敦賀さんは優しくあやしてくれた。

夢じゃないって、実感出来る温もりが嬉しかった。

「朝御飯にしようか」

敦賀さんに促されて、キッチンに移動した。

明るいところで敦賀さんを見て、呆然としてしまった。

「キョーコちゃん?」

敦賀さんが訝しそうに私の顔を覗きこんできた。

私は恐る恐る敦賀さんの顔に手を伸ばした。

敦賀さんは訝しそうにしながらも、屈んでくれた。

触れたら消えてしまうんじゃないかと思ったけど、頬に触れても、敦賀さんは消えなかった。

「敦賀さん…ですよね?」

今更のように確認した。

「どうしたの?」

「だって…敦賀さん…ちが…っ…」

「ん?」

混乱する私に、優しく笑いかけてくれた。

「敦賀さんの…目が…」

敦賀さんは私の言葉に慌てたように立ち上がった。

「あ…コンタクト外したんだった……えっと…あのね…」

「どうして目の色が違うんですか?」

じっと私と見つめあって、敦賀さんが口を開いた。

「気持ち悪い?」

どうしてそんなことを聞くのかしら。

どんな目の色でも、敦賀さんには変わりがなくて、首を横にふったら、敦賀さんは安心したように笑った。

「そんなこと…思う筈がありません。だって…コーンと同じ色なのに…」

敦賀さんが嬉しそうに笑った。

「よかった…嫌われなくて。俺の目の色のことは内緒だよ?」

そしてこっそり教えて貰った。

敦賀さんがホントは日本人じゃないって。

どうして日本人のふりしているのかはわからないけど、日本人じゃないって聞いたから、疑問に思ってた事を口にした。

「もしかして、髪の色も染めてますか?」

敦賀さんは一瞬目を瞠って、そして苦笑した。

「うん」

ストンと納得がいって、笑ってしまった。

「なんだぁ…」

敦賀さんは、笑う私を不思議そうに見つめた。

「気付いてなかったんですか?洗濯機の糸くずが溜まるところに、時々金髪が混じってたんです。だからどうしてかなってずっと不思議だったんです。敦賀さんが日本人じゃないなら、謎でも何でもないことですよね」

「気付かなかった…うかつだったな…」

敦賀さんは、自分で洗濯なんてしなさそうだもの。

気付かなくて当たり前なのかもしれない。

敦賀さんの目と髪の色がコーンと同じ色だってわかって、大きくなったコーンが私を守ってくれてるようで嬉しくなった。

35へ   つづく

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