スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

君恋ふる37



朝か……

カーテンの隙間から差し込む光がまぶしくて、目を閉じた。

さすがにこう寝不足が続くと、目が痛いな……

俺の腕の中では、愛しい彼女がすよすよと健やかな寝息を立てていた。

まだ寝ている彼女を起こさないようにそっとベッドを抜け出して、洗面所に向った。

彼女が起きるまでなら大丈夫だろうと、コンタクトを外して目を休ませることにした。

昨夜の彼女を思い出して、つい、口元も緩んでしまう。

「寂し…か…った…」

「敦賀さんがいないと、怖くて眠れないんです」

「私も敦賀さんにおまじないをしたいです。どうやればいいんですか?」

彼女には、深い意味なんてなかったのかもしれない。

それでも、まるで告白されたかのように、俺の胸は高鳴った。

このままずっと彼女と同じベッドで眠る事になるなら、彼女を抱きしめて寝ることに慣れた方がいいのかもしれない。

毎晩、愛しい彼女の暖かさを感じることが出来るのは、幸せだと思う。

好きだからこそ触れたいと思うけど、好きだからこそ大事にしたいとも思う。

相反する気持ちが、俺の中で鬩ぎ合っていた。

その時「ふぇ~ん」という彼女の泣き声が聞こえてきて、慌てて寝室まで駆けこんだ。

「キョーコちゃん?」

何かあったのかと、心配する俺の顔を見て、彼女は安心したように笑った。

「よかった…夢じゃなくて…」

泣いて抱きついてきた彼女を、背中や頭をなでて、優しくあやした。

こんなにも求めてくれて、愛しいと思う気持ちが、口からこぼれ落ちそうになる。

彼女の涙が落ち着いてきて、自分の気持ちをごまかすように告げた。

「朝御飯にしようか」

俺の内心には気付かず、彼女は小さく頷いた。

キッチンで俺の顔を見上げた彼女が、呆然としていた。

「キョーコちゃん?」

泣いたせいで、具合でも悪くなったんだろうか。

何も言わない彼女が心配になって、顔を覗きこんだ。

顔色は悪くはなさそうだった。

彼女が恐る恐る俺の顔に手を伸ばしてくるから、何かついているんだろうかと思って、彼女が俺の顔に触れやすいようにと、屈んだ。

そっと俺に触れて、彼女が囁いた。

「敦賀さん…ですよね?」

訊ねられた意図がわからず、彼女に問いかけた。

「どうしたの?」

「だって…敦賀さん…ちが…っ…」

「ん?」

混乱している彼女に、優しく笑いかけた。

「敦賀さんの…目が…」

彼女の言葉に慌てて立ち上がった。

「あ…コンタクト外したんだった……えっと…あのね…」

今更どう取り繕っても、しっかり見られたよな……

「どうして目の色が違うんですか?」

じっと彼女と見つめあっていた。

「気持ち悪い?」

彼女が、首を横にふって否定してくれたから、ホッとした。

「そんなこと…思う筈がありません。だって…コーンと同じ色なのに…」

彼女の言葉は、嬉しかった。

「よかった…嫌われなくて。俺の目の色のことは内緒だよ?」

コーンだと告げれば、もしかしたら今の彼女を手に入れることが出来るのかもしれない。

でも、そんな風に手に入れたところで、所詮砂の城のようなものだと思う。

全部を話す事は出来なくても、嘘はつきたくなかったから、「内緒だよ?」と前置きして、ホントは日本人じゃないことを彼女に告げた。

彼女は思いがけない事を聞いてきた。

「もしかして、髪の色も染めてますか?」

どうしてわかったんだろう……

思わず苦笑してしまった。

「うん」

彼女は笑って告げた。

「なんだぁ…」

どうして笑われたのかわからなかった。

「気付いてなかったんですか?洗濯機の糸くずが溜まるところに、時々金髪が混じってたんです。だからどうしてかなってずっと不思議だったんです。敦賀さんが日本人じゃないなら、謎でも何でもないことですよね」

「気付かなかった…うかつだったな…」

隠し事をする俺には、嬉しそうに笑う彼女が眩しかった。

36へ   つづく

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

バナー
バナー 花のうてな みなみなみ様から頂きました。
バナー 桃色無印 きゅ。様から頂きました。
プロフィール

瑞穂

Author:瑞穂

最新記事
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新コメント
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
参加してます
実行委員長のAKI様のお宅にリンクしています。
フリーエリア
光の箱庭 惣也様主催
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。