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チズさんからの頂き物

Tea for twoのチズさんから誕生日プレゼントを頂きました

「どんなものがお好みですか?」というチズさんの優しいお言葉に、「コトちゃんに、弟が出来たお話が読みたいです。出来れば男ばかりの三つ子ちゃんで(/ω\)」と、遠慮もなくとびついてしまいました

チズさん、ありがとうございましたm(__)m

チズさんの素敵なお話を、お楽しみくださいm(__)m



「パパだぁ~~~っ」



扉を開けば。

天使の笑顔で駆け寄ってくる可愛い俺のお姫様。

その場に屈み両手を広げ、腕の中に飛び込んできた愛娘にただいまのキスをひとつ。



そして。



「おかえりなさい、久遠」



最愛の妻・キョーコがくれる「おかえりなさい」のキス。



愛する家族と過ごす時間。

それは、幸せな日常。





───だった……。



俺達に息子が生まれるまでは……。





***





「あ、おかえりなさい。ご飯は?」

「…まだ」



「もう!またこんな時間まで!きちんと食べってねっていつも言ってるのに。待ってて。すぐ温めてくるから」



時間がなかったり食欲がなかったり──、現場で出される食事を残すのはいつもの事。



そんな俺を叱りながら、キョーコが用意してくれる愛情たっぷりの夕食。





───が、懐かしい……。





「あ、そう。じゃあ、冷凍庫のシチュー温めて食べて」

「…うん」



仕方がないとはわかっている。でも…。

ちらり、リビングを振り返る。



彼女の腕に抱かれているのは、6ケ月になる息子・カイン。

俺によく似た面ざし、黒い髪・黒い瞳のその子はまさに“敦賀蓮”のミニチュア版。



そしてキョーコの膝元。

最近上手くなった腹ばいでコロコロ転がるボールに必死に手を伸ばしているのは、同じく息子のゴウ。



コトの小さな腕の中。

犬のぬいぐるみをかじって遊んでいるのも、これまた息子のマル。



─── つまり、3つ子だ。



3つ子が産まれてから、俺達───いや俺の生活はガラリと変わってしまった。



まずは、コト。

今まであんなに俺にべったりだったのに、弟が生まれた途端、「コトはおねえちゃんなの!」と甘える事がなくなった。それどころか、一緒にお風呂もイヤがるし、おはようのキスもしてくれない。この間など、遊んでいるコトを抱き上げて頬にキスした途端、無言でソコを拭われた位だ。



───ショックだった。パパは、バイ菌か?



そして、キョーコ。

3つ子の世話とコトの世話で、てんてこ舞いの毎日。仕事が忙しくなかなか育児や家事を手伝ってやれず申し訳なく思う。だから先に寝てしまっていても「おかえり」「いってらっしゃい」などの見送りや夫婦のスキンシップがなくなったとしても仕方がない。



───イヤだけど。



そして、息子達。

あまり家にいないからなのだろうか…。どうやら俺が父親だとわかっていないらしい。抱けば大泣き大暴れ。

今も、ほら。

6つの瞳が警戒心をむき出しにこちらを窺っている。



───正直、悲しい。





そして───。



「パパ、きちゃだめぇ~、あっちいって!」



ベッドでは3つ子が仲良く寝息をたて、その横ではコトが両手を広げ俺の侵入を拒む。





「ごめん、久遠。コトがどうしてもカイン達と寝るってきかないから今夜はゲストルームで寝てくれる?」



───とうとう寝室までも追い出される始末。





「はぁ──────」





楽しそうに母子5人で寝転ぶ姿を横目に、一人寂しくゲストルームの扉を開ける。





「キョーコ。このダンボールの山、何?」



「あ、それね。悪いけど先生のお家に送っておいてくれる?」

「それは構わないけど…。何?また父さんに何か頼まれた?」



「いいえ。私と子供達の荷物よ」

「え?」



「カイン達、これから動き回ってますます目が離せなくなるだろうから一人じゃ大変だろうって。だから家においでって先生が。だから私達、明日からアメリカで暮らすね」

「なっ、なにそれ!! 聞いてないよ?俺は?!」



「久遠は仕事があるでしょう?だから…単身赴任?しっかり働いてね、パパ」

「パパ、ばいば~いっ」



「ちょ、ちょっと待って!キョーコ!!コト!!」



笑顔で手を振るキョーコとコト。

じょ、冗談じゃない!!



彼女に向かって伸ばした手。



「きゃ」



縋るように抱きついて、逃がさぬ様に力をこめる。



「行かないで!キョーコ!!俺をおいて行かないで!!」



「……久遠……」



震える俺の背を、優しく…まるで子供をあやすように、何度も何度も撫ぜるキョーコ。



温かい掌に少しずつ落ち着きを取り戻し、やっと見え始めた周りの景色。



朝日が差し込むそこは、いつもの寝室。



───夢?



な、なんて、心臓に悪い夢だ───っ!

ベッドに倒れ込み、枕に顔を埋める。



「パパ、だいじぶ?いちゃいの?」



大きな瞳をうるうるさせて、心配そうに覗きこむ小さな天使。



「うん…。パパ、いちゃいの」



胸が───。



「いちゃいのいちゃいの、とでけ~」



小さな手で何度も背中を撫でながら。

唱えるのは、とびきりの呪文。



「ありがと、コト。後はキョーコがキスしてくれたら完治する」

「なに言ってるんですかっ!」



「ダメ?」



「……もう」



仕方ないですねと呆れながら、頬に落とされた柔らかな唇。



「コトも~~」



ちゅ。と音をたて頬に触れた可愛い唇。





あ――――。幸せ。





「ね、キョーコ」

「ん?」

「…お腹の子……。3つ子じゃないよね…?」



ぽっこりと突き出したキョーコのお腹にそっと触れる。



「はぁ?当たり前でしょ。この前エコーの写真見せたじゃない」



───うん。男だった……。



「でも、3つ子かぁ~。それもいいわね。久遠にそっくりなおと──」



「一人でいい!!」



あんな思い、もうこりごりです。

fin.







夢でよかったね、蓮

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