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君恋ふる43

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キョーコ


いくら叫んでも、私の声が聞こえていないかのように後ろ姿が遠ざかって、そして景色に溶けてしまった。





「コーン行かないで!」

自分の声にびっくりして目が覚めた。

やだ……なんて不吉な夢なの……

夢だとわかって、ホッとしてため息をついた。

起き上がって部屋の中を見回したら、モー子さんが、ベットに凭れるようにして座ったまま眠っていた。

モー子さんのお部屋にお邪魔しておいて、眠りこんじゃったのね……

敦賀さんがいないのに、眠れたんだ……

「ふぇ……」

声出しちゃダメ。

モー子さんが起きちゃう。

敦賀さんには、今まで十分親切にしてもらったからもう大丈夫……

でも……寂しい……

好きだから、敦賀さんを困らせちゃいけないのに……

敦賀さん、お仕事とは言え、すごく優しくてとろけそうな笑顔であの人を見つめてた。

私といる時より、嬉しそうだった……

お仕事とは言え、唇にキスしてた……

私、あんな風に敦賀さんにキスされたことない……

物語のお姫様でも、王子様とキスするのに……

私が敦賀さんからもらうキスは、いつも頬や額なのに……

あの時も、頬だった……

その後、顔も見ないで着替えに行って……

私にキスするの、嫌だったのかしら……

でも、お休みのキスはおねだりしなくてもいつものようにしてくれたから、安心してたのに……

あの日、夜中に何か聞こえて目が覚めたら、敦賀さんがベッドの隅っこで眠っているのを見ちゃった。

いつもは朝まで私を抱きしめてくれているのに……

あんなこと言っちゃったから、嫌われたのかな……

『待ってくれ』

『違うんだ』

『そんなつもりじゃなかったんだ』

『行かないで』

敦賀さん、魘されてた……

そんなつもりじゃないってどういうこと……?

怖くて聞けなかったけど、敦賀さんがずっと一緒にいたいのは、私以外の人?

そんなことないって思いたかった……

なのに、敦賀さんは日に日に余所余所しくなっていって……

敦賀さんの腕の中にいたら、不安なんて消えちゃうから、せめてぎゅ~って抱きしめて欲しくて傍によれば、すぐに距離を取られるし……

敦賀さんは、記憶を無くしてる私に同情して、言ってくれただけだったんだわ……

だからキスもしてもらえなかったんだ……

同情なんて…欲しくなかったのに……

ねぇ、コーン。

私にはあなたがいてくれるから、同情なんていらなかったのにね。

ポケットを弄っても、コーンを入れた小さなガマ口がなかった。

嘘……コーン……?

あの夢は、正夢だったの?

コーン(石)は、コーン(妖精)のところに帰っちゃったの?

私が、さもしい子だから、コーンにも見捨てられちゃったの?

いつか……モー子さんやマリアちゃんにも見捨てられちゃうかもしれない……

やだぁ……

一人にしないで……

つづく
  
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