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怖いもの

ラブミー部の部室で、モー子さんとお弁当を食べながら、ふと疑問に思った事を聞いてみた。

「ねぇモー子さん、夏になると怪談が多くなるわね。そんなに幽霊って怖いものかしら」

目の前で怪奇現象が起きたらそれなりに怖いとは思うけれど、例えばお化け屋敷とか明らかに作りものとわかってるものまで怖がる人の気持ちがわからない。

「さぁ~ね~人それぞれじゃない?少なくとも私は幽霊は怖くないわね」

その言い方が気になって、更に質問を重ねてみた。

「モー子さんの怖いものってなぁに?」

「あんたの手料理」

即答だった。

「えぇ~ど~して~?モー子さんの為に愛をこめて一生懸命作ってるのにぃ~」

ショックのあまり声も大きくなってしまう。

悲しくなってきて、目に涙がたまってきた。

モー子さんは、そんな私を見て慌てて言った。

「おいしすぎてついつい食べ過ぎるから、ダイエットの敵なのよ!」

そっぽ向いたモー子さんの顔がうっすらと赤くなってるのを見て、照れてるんだとわかった。

モー子さんにおいしいって言ってもらって、幸せな気分になった。

照れ笑いしてると、モー子さんに同じ質問を投げかけられた。

「あんたの怖いものって何なのよ」

とっさに言葉が出なかった。

モー子さんがじっと見つめてくるから、仕方なく口を開いた。

「つ、敦賀さんかな・・・・・」

モー子さんは妙に納得したようだった。

「確かにあの人の大魔王は怖いわね」

その一言につい力説してしまった。

「大魔王だけじゃないのよ~夜の帝王も怖いんだから!」

あっ、と思った時はすでに時遅く、モー子さんは首をかしげている。

「夜の帝王?」

意味ありげにニヤリと笑われて、どうしたらいいのかわからなくなった。

「恋人同士なんだし、やることやってるんでしょ。今更怖いなんて言われてもピンとこないわね」

からかわれてるのはわかるけど、モー子さんの言葉に意味がわからないから困ってしまった。

「や、やることって何?」

ためらいがちに質問したら、またしてもニヤリと笑われた。

「手出されてるんじゃないの?」

「敦賀さんは殴ったりしないわよ?」

真顔で言い返したら、モー子さんが唖然としていた。

「そっちじゃないわよ!恋人同士のABCというやつよ!」

その言葉を聞いた途端、顔がカッと熱くなった。

「そ、そんな・・・・・破廉恥よ」

小さく呟いたら、モー子さんが机から身を乗り出して言った。

「まさか、まだなの!?」

恥ずかしくて声も出ない。

ただ俯くことしか出来なかった。

「あんたね~敦賀さんは大人の男の人なのよ?」

呆れたように言われて、モー子さんは何を当たり前のことを言ってるんだろうと思った。

「敦賀さんが女の人だなんて思ったことはないわよ?」

正直に告げたのに、モー子さんの絶叫が響き渡った。

「ちが~う!!!言いたいことはそこじゃな~い!!!」

結局、モー子さんの表現があいまいすぎて、何が言いたいのかよくわからなかった。




人によって怖いものが違うんだな~と思うとちょっと面白くなって、社さんにも聞いてみた。

「社さんは幽霊って怖いですか?」

私の唐突な質問にもかかわらず、社さんは真面目に答えてくれた。

「目の前に見えたら怖いだろうけど、それよりもっと切実に怖いものがあるからなぁ~」

幽霊よりも切実に怖いっていう表現が気になったので、もっと聞いてみた。

「何ですか?」

「電気製品。10秒でクラッシュだからね~電器屋さんなんてすごく怖いね~」

「常にスリル満点ですね」

そう言って社さんと顔を見合せて笑った。




敦賀さんのお部屋にお邪魔した時に、モー子さんと社さんとのやり取りを破廉恥な部分は除外して話して、敦賀さんにも聞いてみた。

「敦賀さんにも怖いものってあるんですか?」

敦賀さんは優しく微笑んで言ってくれた。

「あるよ。内緒だけど」

内緒っていうのがすごく気になった。

「教えて下さい」

「ダメ」

そっけなく返されるのがちょっと面白くなかった。

「私、それで笑ったりしませんよ?」

じっと敦賀さんを見つめていたら、敦賀さんも私の顔を見つめてきた。

「どうしても知りたいの?」

「はい!」

内緒だと最初に言ったのに、教えてもらそうなのが嬉しかった。

敦賀さんはじっと私の目を見て、仕方ないという感じに笑った。

「俺が怖いのはキョーコだよ」

思いがけない言葉にびっくりした。

「え~どうしてですか?」

敦賀さんは私の手を取って引き寄せ、その腕に抱きしめられた。

私の頬に手を当てて、真剣な顔で見つめられた。

「キョーコが俺から離れて行ったらどうしよう。他の誰かにさらわれたらどうしようって考えると怖くなる。キョーコを失う事以上に怖いことって俺にはないんだよ」

敦賀さんの言葉に顔が熱くなった。

私の顔はゆでダコみたいに真っ赤になってると思う。

「だからね、いつもこうして腕の中に閉じ込めていたい」

そう言ってぎゅっと強く抱きしめられた。

幸せだと思った。

そっと敦賀さんの胸にもたれかかった。

「どこにも行きません。ここにいます」

小さく呟いて目を閉じた。
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