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掌中の珠4

これにはオリキャラが出てきます。

1へ

雅様は、私にとって大事な人。

蓮様と一緒に仕事をすることが多い人だから、実際に会うまでは、雅様を一方的にライバル視していたのに、雅様が蓮様のことをまったく意識してないってわかってホッとした。

詳しいことは知らないけど、大人の事情とやらで妹さんと会うことを禁じられて、妹さんを恋しく思う雅様は、忙しく仕事に飛び回る両親を恋しがっていた私を、可愛がってくれた。

私の蓮様への想いを知った大人は、みんな笑うの。

でも、雅様だけは笑わなかった。

「私の妹も、6歳の時に出会った初恋の君のことが好きなのよ」

そう言って、応援してくれる。

その雅様が、ついに念願かなって妹さんを引き取られた。

「妹さんと一緒に暮らすようになられても、私のことを邪険にしないで下さる?」

恐る恐る聞く私に、雅様は優しく微笑みかけてくれた。

「マリアちゃんは私にとって妹も同然よ?きっと私の妹もマリアちゃんを好きになるわ。妹はこっちにお友達がいないから、仲良くしてくれる?」

その言葉に安心したの。

もう一人お姉さまが出来るような気分になって、お会いできるのを楽しみにしていた。

なのに……なのに……!

雅様がお忙しくて、なかなか妹さんとお会いできるチャンスがなくて……

あんなことおっしゃってたけど、結局私なんてどうでもいい存在なんだわ。

鬱々とした気分を吹き飛ばそうと、事務所の中をうろついていた。

「うが~~~~~~~!」

突然聞こえた叫び声に身体が竦む。

恐る恐る声が聞こえて来た方向に進むと、鈴木さんが頭を抱えて座り込んでいた。

「あんなこと言ったけど、どうすりゃいいんだ」

いつものような元気がない鈴木さんに、雅様に何かあったのかと心配になる。

「雅様に何かありましたの?」

驚いて私を見た鈴木さんは、さっきまでの悩みなんて何もなかったように、穏やかに微笑んだ。

「マリアちゃんが心配するようなことは、何もねぇよ」

私が子供だからと思って、のけものにするなんて許せませんわ!

「何もなかった?それでごまかせるとでも?ますます怪しいですわよ。子供だと思って軽く扱わないで欲しいですわ!」

鈴木さんは困ったように笑っている。

「雅様は私にとっても大事な人なんです。さぁ、さっさと教えなさい!」

詰め寄ったら、鈴木さんは諦めたようにため息をついて、頭を掻いた。

「明日から姫さんは東京を離れるからな。姫さんの妹をどこに住まわせるか悩んでただけだよ」

「確か中学生でしたわよね?一人でお留守番が出来ないと、我儘を言ってらっしゃるの?」

それも今更な気がする。

雅様が妹さんを引き取ってからも、一人でお留守番することは、あったはずだから。

そのせいで、未だに会わせてもらえないんですもの。

「いや、そんなこと言う子じゃないよ。ちょっとな……まぁ今一人にしておきたくない事情があるんだよ」

よくわからない……

「だったら、家にいらしたらどうかしら?私も雅様の妹さんにお会い出来るし、妹さんだって、家に来れば一人になりませんわ」

我ながらいい考えだわ。

「おじいさまにお願いしてきますわ」

鈴木さんの返事も待たずに駆け出した。





おじいさまは、すぐに雅様と話をして、雅様の妹さんを家に招いて下さった。

やっと……やっとお会いできる。

どんな方かしら。

雅様に似てらっしゃるのかしら。

初恋の方を好いてらっしゃるって伺ってたけど、その方、蓮様じゃあないわよね?

妹さんの初恋の君が蓮様だったのなら、雅様が私を応援して下さることはないと思うし……

私が雅様と親しくして頂いてても、嫌な顔をされないかしら。

少し緊張しながら、雅様の妹さんが滞在するお部屋にお邪魔した。

それなのに!!!

どうして部屋にいないのよ!

家探しするかのごとく、家の中をうろついてらっしゃるのかしら?

非常識よ!

客なら客らしく、大人しく客室にこもっていればいいものを!

いじめてやる!

呪ってやる!

あぁ駄目よ。

雅様の妹さんに、そんなことをするわけにはいかないわ。

落ち着くのよ。

そんなことしたら、雅様に嫌われちゃう……

気分を落ち着かせるためにも、いつもの場所へ向かう。

寂しい時や落ち込んだ時は、いつもそこで過ごす。

庭の一角にある花畑は、ママが生まれた娘、つまり私の為に、とある絵本の花畑を再現したもの。

物語は好きだけど、どのお話のお姫様も、王子様が迎えに来てくれるのを待ってるだけ。

待ってるだけじゃあ、王子様だって人間違いしてしまうことだってあると思うのに。

私は自分の王子様を見つけたから、自分から王子様の元へ飛び込むのよ。

蓮様のことを想うだけで、不快な気分が一掃される。

いつか蓮様の恋人になることを夢見ながら、バラのアーチを抜けると、その先の四阿には、先客がいた。

誰?

その人は、私の気配に気づいて振り向いた。

もしかして、この人が雅様の妹さん?

赤い目、濡れた頬が、泣いていたことを物語っている。

部屋にいなかったのは、泣き場所を探してたから?

寂しそうな目に、くぎ付けになった。

私はこの目を知っている……

まるで鏡を見ているようだと思った。

つづく   3へ

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