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君恋ふる1



愛しい彼女に会うために、今日も移動の途中に事務所に向かった。

ラブミー部の部室に近づくと、彼女とその親友の楽しそうな声が漏れ聞こえてきた。

部室のドアをノックすると、中から「どうぞ」と声がかかった。

「楽しそうだね~」

ラブミー部員の彼女たちに声をかけながら部室に入る社さん。

その後ろから「お邪魔するね」と声をかけて部室に入った。

「こんにちは、敦賀さん、社さん」

彼女たちは礼儀正しく挨拶をしてきた。

「ちょっと時間があるから、ここで休憩させてね」

社さんがいつもの言い訳を口にした。

休憩という名の最上キョーコ補給時間なのだけど。

俺の恋心を知ってる社さんは、いつも彼女のスケジュールを調べ上げ、偶然に見せかけて彼女に会う時間を作ってくれる。

彼女に知れたら、ストーカー紛いだと抗議されるんじゃないだろうか。

今のところ、彼女は何も気づいていないようだけど、彼女の親友は何となく察するものがありそうだ。

俺と社さんの姿を見たら、彼女の親友は必要以上に話をしようとしないのが常だった。

「ドアの外まで楽しそうな声が響いてたよ」

社さんのウキウキした様子に、彼女の親友が珍しく口を開いた。

「も~だから恥ずかしいって言ってるのに」

うっすらと頬を染めて照れ臭そうなその様子に、いつもと違う印象を受けた。

「何の話?」

社さんが彼女たちに聞いた。

「これですよ」

そう言いながら、愛しい彼女が1冊の雑誌を広げて見せてくれた。

そこには彼女の親友のインタビューが載っていた。

「この写真、モー子さんがとっても綺麗で素敵なんです~」

彼女がうっとりと自慢げに言った。

「ほんとだ、琴南さん綺麗だね」

社さんも素直に感想を口にした。

確かにその写真はとても綺麗に撮られていた。

「ありがとうございます」

彼女の親友は素直にお礼を口にした。

「でしょう?女の私でもうっとりしちゃいますよ~」

どこか夢見心地で愛しい彼女が言った。

「私が男だったら、モー子さんにアタックしちゃいますよ」

そう力説する彼女に、なんとなく違和感を感じた。

愛したくも愛されたくもないラブミー部員の彼女にも、心境の変化が訪れているんだろうか。

ラブミー部に入った当時だったなら、例え同性の親友といえども、そんな言葉は言わなかったのではないだろうか。

「ラブミー部員のキョーコちゃんが?」

社さんも驚いていた。

「はい。モー子さんだったら、ラブミー部員返上しちゃいます」

ニッコリと笑って、愛しい彼女が告げた。

「そうなの?」

胸の中がモヤモヤしてきた。

自分でも気付かないうちに不機嫌になっていたんだろう。

社さんの顔が青ざめていた。

同性の友達に向けた言葉だというのに、どうしようもなく面白くなかった。

ラブミー部員を返上するなら、その相手は俺でありたいと思った。

「何言ってるのよ、あんた。私は百合の気はないわよ。変な噂が立つような事いわないでよ」

彼女の親友が慌てたように言った。

「だから私が男だったらって言ってるじゃない」

彼女は不満そうに言った。

彼女と彼女の親友が取り巻く空気に、苛立ってくる。

「あんた気付いてないの?あんた狙ってる人いっぱいいるじゃない。私に変な噂立つようなこと言う暇があるんだったら、そっちに目を向けなさいよ」

彼女の親友はチラリと俺の方を見た。

俺のこと当てつけて言ってるのか?

いや、でも彼女を狙ってる馬の骨がいっぱいいるのは確かだし………

「え~そんなことないわよ~私みたいに地味で色気もない女に、興味持つ人なんているわけないじゃない」

彼女は嘘をついても無駄よとばかりに笑った。

君はホントに気付いてないの?

俺だって君のこと狙ってる一人なんだけど、君には俺なんて眼中にないのか?

「あんたこの前ブリッジロックのリーダーに食事に誘われたって言ってなかった?」

なんだって~!!!

そんな話は今初めて聞いたよ。

ブリッジロックのリーダーね。

馬の骨の名前をしっかりと心に刻んだ。

「あれは~たまたま私のお腹がなっちゃって、それを聞いた光さんが『お腹すいてるなら何か食べに行かない?』って言われただけよ?ダイエット中だったからお断りしたんだけど、人前でお腹がなって恥ずかしかったんだから」

彼女がほんのりと頬を染めて言った。

彼女が馬の骨と二人で食事には行ってないという事実は嬉しかったが、『光さん』と親しげなのが気に入らなかった。

「キョーコちゃんダイエットしてたの?」

社さんがそんな必要ないだろうとばかりに聞いていた。

「そうなんです~ナツはカリスマ高校生だから、カリスマモデルさんみたいな体型を目指してダイエットしてたんです」

彼女が笑って告げた。

「で、その光さんとやら以外にもいろいろ誘われたりしてるのかな?」

彼女のダイエットなんてどうでもよかった。

誰かに誘われているというのが問題だった。

俺の機嫌に敏感な彼女が、俺の怒りを受信したようだった。

「だから私みたいな地味で色気のない女を誘う人なんていませんよ」

慌てたように彼女が言った。

「あんたこの前スタッフに、携帯の番号とメルアド聞かれたとか言ってなかったっけ?」

彼女の親友がまたしても俺の知らない話をしてきた。

「だから、あれはそういうのじゃないでしょ?メルアドとか携帯の番号知ってたらどこにいてもすぐ呼べるからって言われたし。ほら、マネージャーさんがいないから、スタッフの人が探しに来てくれるじゃない?それが申し訳ないって話してた時だったから」

普通下心がないとそんなこと聞いてこないだろ?

君も少しは警戒することを覚えた方がいいよ?

「へ~最上さんはその人に、携帯の番号とメルアド教えたんだ」

自分でも不機嫌なのがわかる声だと思った。

抑えようにも抑えられなくて嫉妬丸出しになってしまった。

「とんでもないですよ。そんなことするわけないじゃないですか」

彼女は慌てて否定した。

「じゃあどうしたの?」

「そんなお手数おかけするわけにいかないじゃないですか。だから『ご迷惑かけないように席を外す時は一声かけていきますし、時間までには帰りますから携帯で呼び出して頂くには及びません』ってお断りしましたよ?」

どこかの馬の骨に彼女が安易にメルアドや携帯の番号を教えてないことがわかって、ちょっと安心した。

「ふぅ~ん。こないだ番組で一緒になった貴島さんに、BOX”R"のクランクアップのお祝いに何かプレゼントしてあげるとか言われたって言ってなかった?」

貴島君だって!?

あいつは逸美ちゃんの方が男のツボだとか言ってたくせに、君にまでちょっかい出してるのか!?

「それで、もらっちゃったの?」

思いがけない暴露話に慌てたんだろう、社さんが彼女に聞いた。

「いただく理由がありませんからお断りしましたよ?」

貰わなくて当然じゃないですかとばかりに彼女が言った。

よかったよ、君が貴島君から何も受け取ってなくて。

「あんたがちょっと目を覚ませば、ラブミー部はすぐ卒業出来るわよ」

彼女の親友が呆れたように言った。

俺としては馬の骨のあからさまなアプローチに気付かない彼女に安心したが、こんなことではいつ誰が彼女の心を揺さぶるとは限らない。

安心してる場合じゃないと焦ってくる。

「今のままでもいいのよ~だってモー子さんと一緒にいれるし」

彼女が嬉しそうに告げた。

「ラブミー部卒業しても一緒にいられるわよ?あんたも私も目指すところは一緒でしょ?」

親友の言葉に、彼女は益々嬉しそうに笑った。

「うれし~モー子さんからの愛の告白ね」

愛?愛だって?君がそれを欲しがるのか?君はそれを俺に求めてはくれないのか?

「やめてよ~私に変な噂が立ったらどうするのよ~大体愛の告白なんてしてないじゃない」

彼女の親友は慌てて否定するけど、彼女に纏わりつかれるのは嬉しいんだろう。

どことなく浮き立った口調だった。

「ほんとに二人は仲良しだね~」

少女二人のやり取りを、社さんは微笑ましく思っているようだった。

時々チラリと俺の顔を見てくるのは、俺が不機嫌なのがわかってるせいなんだろうな。

「最上さんは、愛の告白をして欲しいの?」

この上なく可愛らしくニッコリと彼女は微笑んだ。

「だって私モー子さんのこと大好きですし」

「も~恥ずかしいこと言わないでよ」

彼女の親友は、うっすらと頬を染めてそっけなく言った。

「モー子さん、そんなに照れなくても」

「照れてないでしょ」

そんな彼女たちのやり取りを耳にしながら、愛しい少女をじっと見つめた。

彼女も視線を感じたんだろう。

俺の顔を不思議そうに見つめてきた。

君が望むならいつだってあげるよ。

俺の心の声は当然君には聞こえてないし、俺が君を見つめるわけもわかっていないんだろう。

そのままじっと見つめあってから口を開いた。

「最上さん、お嫁にもらいたいぐらい好きだよ」

二人きりでないことを忘れてるわけじゃなかった。

ただ、同性の友達に嫉妬するぐらいホントに彼女のことが好きだった。

ラブミー部を卒業するなら、俺がその相手でいたかった。

思いがけない暴露話で、自分の知らない馬の骨たちの存在にも焦っていた。

冗談で言ったつもりはなかった。

本気で彼女が欲しかった。

他の誰にも渡したくなかった。

「ありがとうございます、敦賀さん」

彼女はニッコリと笑って言った。

あっさりと告げられたその言葉に、落し物でも拾ってあげたんだったかと錯覚しそうになった。

俺が本気で告白したところで彼女に通じるとは思わなかったけど、この反応は予想外だった。

社さんと彼女の親友は驚愕していた。

「れ、蓮。そろそろ時間だから行こうか」

社さんに促されて立ち上がった。

これで諦めたりしないよ。

心の中で彼女に宣戦布告して、次の仕事に向かった。

つづく



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Re: こんばんは!

コメントありがとうございますm(__)m
そちらにお邪魔させて頂いて、「シャンプーと石鹸のお話が・・・・」とコメントを書いたのは私です(/ω\)
こちらこそ、その節はお返事下さいましてありがとうございましたm(__)mとても嬉しかったです≧▽≦

一応「君恋ふる」はまだ続きます。(一応って何だって突っ込まれそうですが(^_^;))嬉しいコメントをありがとうございましたm(__)m
こんな拙い創作でよろしければ、またいらして下さいませm(__)m

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Re: 6:20に送信したものです。

コメントありがとうございますm(__)m

> 失礼しました、きっと。尻切れトンボで、終わってますよね?
そんな風には思わなかったので、大丈夫ではないでしょうか?

機能がわかってないのは私もですから(^_^;)
ほんとにすご〜く嬉しいお言葉頂きました。ありがとうございますm(__)m「君恋ふる」はまだ途中までしか書けてないんです。どうしても1の部分が頭から離れてくれなくて、話が進まないので、書いてる途中でここに載せてしまいました(^_^;)ですから、なかなか更新は出来ないでしょうけど、気長に待っていただけたらと思います。
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