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どちらにしても・・・

企画拍手に掲載して頂いたものです。


キョーコと付き合うようになってから、時間があうときは俺の部屋で食事をとることが当たり前のようになっていた。
食事の支度も後片付けも一緒に居る時は出来るだけ手伝うようにしていた。
今日も一緒に食事の後片付けをしながらキョーコの話を聞いていた。水音のせいで、ところどころ俺の耳に届かない部分もあったけど、楽しそうなキョーコの声は俺の一日の疲れを癒してくれるものだった。不意に聞こえてきたその一言に一瞬思考が止まった。
今キョーコは何て言った?「ママになった」って言わなかったか?避妊には気をつけていたつもりだったけど、もしかしなくても子供が出来たのか!?
キョーコの肩を掴んで自分の方へ身体を向けさせた。
「結婚しよう」
「は?」
プロポーズしたことがわかってないのか、キョーコは出しっぱなしになっていた水道をちらりと見て、蛇口を閉めた。
「結婚しませんか?」
子供が出来たからっていうプロポーズが夢見る乙女の君が喜ぶようなものじゃないってことはわかるけど、俺の子供が出来たっていうのに、まさか断るなんてことはないよね?
唐突なプロポーズをキョーコは理解しきれなかったのか唖然としている。
黙ったまま返事をしてくれないキョーコに焦ってくる。
頼むから何か言ってくれないか?
「結婚してください」
「私なんかでよければ喜んで」
3度目でやっとキョーコは返事をくれた。
承諾をもらった喜びにキョーコを抱き締めた。強く抱き締めたからお腹の子供に障ったんじゃないかと慌てて腕を離した。
「ありがとう、キョーコ」
一生君を大切にするよ。



妊娠してるキョーコをいつまでもキッチンに立たせて置くのもいやだったので、後片付けは俺がするからとリビングに追いやった。これから先のこをとあれこれと考えながら後片付けをした。
妊娠初期は食べ物の匂いに気分が悪くなると聞いた事があるけど、キョーコは大丈夫なんだろうか。
コーヒーを入れながらふと気になった。
キョーコにコーヒーを手渡して、横に座り、そっと抱きよせた。
コーヒーを手にしても気分が悪そうに見えないキョーコに安心する。
「式はいつにしようか。早い方がいいよね」
お腹が大きくなるとキョーコも何かと大変だろうしね。
「そんなに急がなくても・・・」
キョーコはクスクスと笑っていた。幸せに満ち足りた笑顔だったから、俺もホッとした。
「明日一緒に社長に報告に行こう?」
「はい」
恥ずかしそうにはにかんで、キョーコは頷いた。
「男かな?女かな?キョーコはどっちが欲しい?」
俺はキョーコに似た女の子が欲しいなぁ。名前も考えないといけないな。
「気が早いですね」
キョーコは目を丸くしている。
「そうかな?」
子供が生まれるまで十月十日と聞いてるけど、女性にとってそれは随分先で実感がないことなのか?俺は最愛のキョーコとの子供ということで、まだ見ぬわが子にこんなにも浮かれているというのに。
「そうだ、予定日はいつ?」
「え?」
今のキョーコの顔みたいなのを、鳩が豆鉄砲食ったようだと表現するんじゃないだろうか。そんなキョーコを訝しく思う。
「キョーコ妊娠してるんでしょ?」
「え?」
自分が言ったこと忘れたの?
「さっき『ママになった』って言ったよね?」
「言ってません。もしかして私が妊娠してるからって責任感だけでプロポーズしてくれたんですか?」
すぐに否定したキョーコはちょっと機嫌が悪そうだった。
「お腹が目立たないうちに式をあげた方がいいと思って」
「そういうことなら、私は今妊娠してませんので、さっきのプロポーズはお断りさせてもらいます」
キョーコの言葉に俺は慌てた。
「ちょっと、キョーコ」
「私のお腹に子供はいないんだから、敦賀さんが責任とって結婚する必要はないんですよ」
責任だけじゃない、愛してるからに決まってるだろ?
「確かにキョーコが妊娠してると思ったから慌ててプロポーズしたけど、キョーコとの結婚は前々からちゃんと考えてたよ」
ちゃんと夢見る乙女の君を満足させるような演出を頭に描いていたさ。今日のことがなくても、キョーコが成人したらすぐにでも言うつもりだったんだ。
「それはどうもありがとうございます。でもそれは今じゃなかったはずでしょ?もっと先の話だったと思うし、そうだったら敦賀さんの気持ちも変わる事もあるかもしれないじゃないですか」
「キョーコは俺の気持ちを疑うの?」
「どんなにそうしたいと思っても人の気持ちは縛れませんよね?」
そう言うキョーコは少し悲しそうだった。
愛にトラウマのあるキョーコだからこそ、不安も人一倍なんだろうけど、俺がそんな言葉を聞いて平静でいられるわけがないだろ?
「じゃあ今度はほんとに『ママになった』って言えるように今から頑張ろうか?そしたらキョーコもプロポーズを受けてくれるんだよね?」
キョーコを抱き締める腕に力を入れた。
「いやです!そんないかにも【やりました】って破廉恥な報告したくないです~」
俺の腕の中でキョーコはじたばだ暴れた。
「やっと手に入れたキョーコを手放す気はないんだよ?どんなことしてでも繋ぎとめるよ」
「敦賀さんはわかってませんね。私から離れていくことはあり得ません。」
彼女は小さく笑って言った。
「敦賀さんの傍らが私の帰る場所なんだから」
今の言葉、俺がどんなに嬉しかったかわかってる?俺の帰る場所も君の傍らなんだよ?
「だったらプロポーズを断るなんて言わないでくれないか。キョーコとだから結婚したいんだ」
「はい」
キョーコは小さく呟いた。



「明日どんな風に報告するつもりなんですか?」
キョーコは社長への報告が気になっているようだった。
「キョーコが妊娠したと勘違いしてプロポーズしたって正直に言うよ」
「やめてください。そんな【やってます】みたいな破廉恥な報告はいやです~」
キョーコは真っ赤になって叫んだ。

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Re: No title


私の方もお返事が遅くなることは多々ありますので、そういうのは全然お気になさらないで下さいね?
おっしゃられる通りの意味で題をつけました。
見透かされてますね(/ω\)
その言葉は、蓮に言っても効果なさそうですね♪

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